高速道路の通行料に応じて利用顧客に付与される「ETCマイレージサービス」のポイントについて、北九州市小倉北区のカード貸与業者が顧客に還元せず自社収益としていたとして、西日本高速道路(NEXCO西日本)など高速道路4社は29日、業者が発行した全ID約3万9千件と収益の約1億1千万円相当のポイントを抹消したと発表した。
関係者によると、この業者は北九州市小倉北区の「未来」。業務提携する組合や自社のウェブサイトを通じて顧客を募り、中小企業など法人向けにETCカードを貸与する事業をしている。
未来によると、ETCカードの貸出先から5%または8%の手数料を徴収していたが、このうち手数料が5%の顧客には、通行料に応じて得られたポイントを還元していなかったという。NEXCO西日本は、この部分を規約違反となる収益とみなし、発行したETCカードIDの抹消を決定したという。規約により、未来は3年間、サービスの新規登録ができなくなる。
未来の広報担当者は、朝日新聞社の取材に、「信用力がない人にもカードを貸しているため、手数料が安い顧客には、ポイント還元はないと説明している」と認めている。今後の対応は検討するとしている。
ETCマイレージサービスでは法人・個人のID約1千万件(10月末現在)が登録されており、今後、不正防止のための規約変更などを検討するという。(安斎耕一、興津洋樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル